玄関を開けると
きょどったトムが何かでかいものを持って立っていた
ワザワザごめんなさいダーリン
美穂が走ってきた
こんばんは!
二人同時に言った
そして大きな袋から大きなテディベアを取り出し美穂に渡しながら
トムです
仲良くして下さい と絆を深めようとしたトムなりの見え見えの作戦だった
美穂はめんたまとびだしながら
ありがとうございます
と ぴょこんと頭を下げ走って奥に行った
トムは封筒に入れた給料と生活費を洋子に渡した
中を見る事もなく洋子は心とは裏腹に 皮肉っぽく言った
トム貴方行動が早いのね
しかも生活費っていうけど我が家は美穂と二人だけどピアノも習字も水泳も習わしているのよ
家庭教師も週に三回は来てるわ
どれだけ お金かかるか想像できる?だからダンサーしてたのよ
全て洋子の作り話だ
トムはOK!
これだけ渡しとけばしばらくはいいかな?中身を見てびっくり!二百万入っていた
おびつきが二個だ
洋子は心臓が左右移動する程驚いたが そこはSの洋子だ
そうね 少しは持つわね・・・
で このお金が無くなったら?
美穂がテディベアをおんぶして走ってきた
洋子はとっさに
この続きは明日ね!ば〜い
トムは首を傾げながら帰っていった 何となく話しが通じたのだろう
洋子は子供の頃親から虐待を受け それがトラウマとなり簡単に人を信じない女になっていた
唯一の失敗が離婚 でも美穂がいてくれた
今度はヤクルトだ トムに溺れたら・・溺れてる
ヤクルトで・・
ハア〜
長い髪をぼりぼりとかきながら
洋子は考えた
確かに私はトムに惹かれてる
トムが本気なのも解った
さて今後の問題だ
まっいいか
トムが去れば又店に戻ろう
洋子にしては実に楽観的な考えだった
トムの仕事は土日休みで午後から5時まで
洋子は夜の7時から12時まで ほぼ踊りっぱなし
トムの奴かなり
楽して金儲けしてるんだな
洋子はぶつぶつと独り言を言っていた
美穂と夕食をしてると携帯が鳴った
ハローハニー
ハローダーリン
・・・?・・・?何黙ってるの?何?切るわよ
昨日の続きなんだけど・・・
ごめんなさい
今食事中なの!
明日の朝連絡して!ダーリン
美穂が言った
ダーリンて何?
あの外人さん何なの?
続く