―――札幌―――\r
俺の名前は宮本ヒデ。
中学高校と悪やってたせいで俺は今変な清掃会社で働いている。
「ガシャンガシャン」
古い鉄の階段がないている。
またうざったい先輩のお出ましのようだ。
先輩「しっかりやってか!まったく使えないな」
ヒデ「はい!しっかりやってますよ。心配しないで2階のほうよろしくお願いします。」
いなくなったのを確認してタバコに火を付ける。
ヒデ「2ヶ月早くいたからって図になんなよ!」
壁をおもいっきり蹴った。そしてゆっくり床に腰をかける。昔から変わっていない自分に憂鬱を感じながら。
ヒデ「そういえば…」
作業服の右ポケットをガサガサとあさる。
ー同窓会ー
封筒にはそう書いてある。
ヒデ「みんな元気なんだろうか。」
煙を肺に深くいれてゆっくりとはいた。
―――東京―――
赤い外車が眠らない夜に駆けていく。
爺「リク様、ご自宅へ着かれました。」
リク「おお、ありがとう。じゃあ俺は寝るな。」
大きくあくびして背筋を空に伸ばす。
爺「では明日のスケジュールの確認を、まず朝7時から〇〆工業社長との朝食、それを終え……」
リク「あぁもういい!聞いてるだけで疲れる。」
ため息まじりに言った。
リクは大学を卒業し自分で立ち上げた会社が今うなぎ上りに成長し資産は十億以上。
いわゆる勝ち犬である。
リク「昔みたいにみんなで笑ってゆっくり暮らしたいよ。」
爺「あっ、お待ちください。」
爺ことシエル松河はリクのSP兼執事である。
五つの武道と十五ヶ国語を話す。過去は不明だ。
リク「もういいといっているだろ!」
リクは苛立ちを見せた。
爺はスーツの内ポケットから白い封筒をやさしく丁寧にリクに渡した。
爺「その日の予定は全てキャンセルしておきました。ゆっくりご友人との交流を楽しんできてくださいませ。」
ー同窓会ー
リクは笑顔を浮かべ、爺の手を勢いよく握り締めた。
リク「ありがとう、ありがとう。やった!」
リクは軽い足取りでマンションの最上階へ帰った。
爺「リク様が笑ったのは久しぶりだな。」
バタンと車のドアを閉めてまた夜の町へ車を走らせる。
まだ誰もあんなことになるとは思ってなかっただろう。
少しずつ世界がどす黒いものに覆われていってることにまだ誰も気付いていない。