遠くても…-10-

深谷恵梨香  2010-09-05投稿
閲覧数[289] 良い投票[0] 悪い投票[0]

季節はすっかり夏の終わり。
エリカはまだあのビルでバイトをしていた。
理由は…幸村さんの少しでも近くにいたいから。
幸村さんは最近、居酒屋に来なくなってしまった。

「店長、最近来てないよ 。仕事が忙しいんじゃ ないかな。」

エリカもすっかり居酒屋には行かなくなった。

「エリカぁ」
「ん〜?」
「あんたなんて顔してん の。
この前居酒屋に店長い たよ。エリカいないの って話しかけられた。 」
「えー!?」
「でも、最近はめったに 来ないみたい。
彼女できたんだって… あんたが恥ずかしがっ てそっけない態度とっ たりしてるうちに他の 女にとられちゃったじ ゃん、ばかー。」

幸村さん、彼女できたんだ…
彼女できたから日曜日はデートでお店に来れなくなったんだ…

次の日からエリカは幸村さんと目も合わせなかった。
幸村さんの姿を見たら泣いてしまうと思った。
エリカの態度に気づいてか、幸村さんもエリカに話しかけることがなくなってしまった。

これでいい…
エリカに幸村さんの恋愛を邪魔する勇気なんてなかったから…



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 深谷恵梨香 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ