泣かないって決めたんだ。
あなたを置いて、私はいなくなる。
君が泣いてる。私は側にいるのに、側にいない。
あなたが私の名前を呼んでる。泣きながら、私の名前を呼んでいるのに。
私はただ、泣きながらその姿を見ていることしかできなくて。
この手がどれ程無力なものなのか思い知らされる。
生きていなきゃ、あなたに触れることも声をかけることもできない。
私の存在を分かってもらうこともできない。
私は側にいるのに。側にいない。
あなたを守りたいのに。
泣いて欲しいわけでも、泣かせたかったわけでもなくて。
ずっと一緒にいたかった。
この手を伸ばすことももうないのだけれど。
いつか。
また、出逢いたい。
この切ない気持ちを感じているのはあなただけじゃないのだから。
だから、泣かないと決めたんだ。
あなたが生きていることが嬉しいから。
泣かないで。
だから、また笑ってよ。