その後も気まずい空気が流れたまま時間はどんどん過ぎていった。
「お疲れさまです。」
思えばこんなに長い時間、幸村さんと同じ空間で過ごすことなんてなかったな。
短かった。
「エリカ、
よかったらなんだけど…番号教えてくれない?」「番号?」
「携帯の番号!!
俺、エリカのことけっこう気になっててさ。
ダメかな?」
うそみたいだった。
塚本さんのあの話、本当だったんだ。
「あ、いいですよ。」
そっけないエリカの態度。
まただ。
恥ずかしくなると素直になれないのがエリカの欠点。
「やったぁ!!
じゃ、よろしくお願いします。」
今日1日いろんなことがありすぎた。
エリカは帰ってすぐ布団に潜り込み、ケイタイを大事に握りしめながら今日1日のことを思い返し、静かに眠りについた。