盾を持った男がこちらに迫ってくるのを見て、兵士たちは一瞬、たじろいだ。
そんな中、黄色いマントを着けた三人の兵士がゆっくりと剣を抜いた。
―剣であの大きな盾は防げないぞ。
エナンは後方からその様子を見つめながら、冷静に分析した。
｢あの男は誰？味方なの？｣
隣にいるミーナが小声でエナンに尋ねた。
｢いや、違う。恐らく…｣
彼が首を横に振った瞬間、前方で何かが光った。
そしてその次には小さな爆発が発生し、木々を激しく揺らした。
エナンは目を大きく見開いて、その様子を呆然と見つめた。
｢ね…ねえ、さっきの、何！？｣
ミーナは声を震わせながら、エナンの袖を掴んだ。
｢…作戦は中止しよう｣
エナンは我に帰ると、剣を抜いて上に掲げた。
ダリルは爆風を受けて身を伏せながら兵士たちの方を覗き見ると、兵士たちの頭の上から剣が出ているのが見えた。
｢作戦は中止だ｣
｢中止？剣での合図があるの？｣
｢ああ｣
リリアとザックは身を伏せながら恐る恐る兵士たちの方を見た。
確かに剣が兵士たちの頭の上から出ている。
｢撤退しましょう。合図が出ている以上、ここに居るのは危険だわ｣
｢了解｣
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