あーイライラする!
モヤモヤした感じも無くならない!
大輝(だいき)は、冷蔵庫から麦茶を出してから、コップに注がずにそのまま飲みほした。
胃の中が麦茶の海になりそうだ。
九月一日…中3の二学期
下校中に、大輝は仍(なお)と大喧嘩した。
大輝は、仍に
『ばーか。』
と言ってから、家までダッシュで帰って来たのだ。
その時、一度も振り返らなかったので、大輝は仍がどんな様子だったかは、知らない。
汗だくでびしょびしょのTシャツ…
大輝はとりあえず、シャワーを浴びた。
さっぱりはしたが、モヤモヤは晴れない…
仍に電話しようとも思った。
いつも、電話で長話をしているから。
でも大輝は、受話器を持つと、それがやたらと重く感じた。
それで、電話をするのはやめた。
メール、という手段もあったが、大輝のパソコンは、故障中だった。
「あー!仍があんなこと言うからだー!仍のバカー!仍のアホー!鈍感!!」
と、大輝は頭の中でずっと思ってた。