ザックとダリルは頷いて、リリアと共に草村から林の奥へと足音を立てずに退避していった。
―兵士たちが来たら計画開始までに必ず彼らの頭の上を見て下さい。
そうエナンから言われていたので、メディナは身を伏せながら兵士たちの頭の上を見た。
頭の上から剣が出ているのを確認して、彼女は一つ小さく頷いた。
―いい判断だわ。
彼女は剣の柄から手を離すと、ゆっくりと後ろに退いた。
―クリスタルクラッシュ…か。
メディナは唇を噛んで拳を握りしめながら、その場から静かに離れていった。
エナンは静かに剣を鞘に収めると、ミーナに向かって、
｢さ、ここから離れよう｣
と、小声で呼びかけた。
｢…いったいあれは何なの？｣
ミーナは声を震わせて、エナンに尋ねた。
｢それは後で説明する。とにかく、ここからすぐに離れよう｣
｢う、うん…｣
エナンとミーナはゆっくりと後ずさって、草村の中に飛び込んでいった。
ボロスは爆発の衝撃で後方に吹き飛ばされ、背中を強打し呻いていた。
―何だ、あれは。
兵士が剣を薙ぎ払った途端、閃光と共に盾を吹き飛ばすほどの爆発が起こったのだ。
｢くそっ！｣
ボロスは顔を歪めながら立ち上がろうとした。
[451] 
[0] 
[0]
