「そか…
エリカちゃん、店長が結婚してるの知らなかったんだ…」
エリカは泣きながら、幸村さんへの想いを話した。
松山くんはただ黙ってエリカの話を聞きながら、うんうん、とうなづいてくれた。
エリカが人前で泣いたのはこれが初めてだった。
「エリカちゃんは、店長のことよっぽど好きだったんだね。」
「うん…」
「けど、俺はもったいないと思う。
エリカちゃん、こんなにかわいいし、好きな人のためにここまでがんばれるいいコなのに、店長のことで立ち止まっちゃうなんてもったいない。
俺はエリカちゃん…好きだよ。」
涙が溢れた。
エリカの気持ちは不安定だった。
ポカンとあいた心の穴を誰かにふさいでほしかった。
「よかったら俺と…
俺だったらエリカちゃんのこと純粋に愛して…」
「なら、エリカのこと抱いて!!」
「え!?」
「エリカのこといっぱい愛して…」
あの時のエリカはとにかく幸村さんのことを頭の中から追い出したくて、やけになっていたのかもしれない。