がんばったで賞 55 〜俺の秘密は…。作者おすすめ??〜

るー6  2010-09-11投稿
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友達のサユも、元気になることを祈っていた。
コウタのお母さんは、
「ごめんね。2人とも。コウタは昔から病気にかかりやすかったから…。」
「そうなんですか…。」
サユはお母さんが話したことをアキに伝えた。
「じゃ、飲み物買ってきますね。」
「…すいません…。」

今にも死にそうなコウタ。口がかすかに動いていた。

「ノート…。」

どうやら、ノートを取ってほしいようだ。


「鉛筆…。」

何か書く?
アキは、見たかったが、じっと待つことにした。


ノートに書き終わったコウタは、アキに見せた。
見てみるとそこには、


『俺の秘密
どうして助けたかっていうと、
アキちゃんが好きだったから。』


ふにゃふにゃの字だった。アキはそれを見て、涙がとまらなかった。


コウタを見ると、秘密を教えて安心したように、ゆっくりと目を閉じていった。

「コウタくん!」

サユの叫びも、届かない。

『えっ…コウタ?』
アキもコウタの変化に気づいた。
飲み物を買ってきたお母さんも、悲しさのあまり、病室に入ったとたん崩れ落ちた。




『コウタ!死なないで!』



アキの…、




初恋の相手は…、




天国に行ってしまったんだよ。




サユは、落ち込んでいるアキに何度も言った。




天国…。




もう会えないの?




うん…。




うそでしょ?




うそじゃないよ。




…本当なんだよ。お葬式だって、やったでしょ?




アキはそれから、屍のように、感情を持たず、




ただ生きていく日々が続いていった…。

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