入り口から入ってきたのは、みたこともない制服を着た兵士達だった。
「まずい!ルパスの兵士共だ!」
三人は武器を構えた。
「くそ!早く上へ行かねぇと!」
ウェドの様子を見て、シルヴァは言った。
「お前達は行け、こんなやつら、一人で十分だ」
「ですが!」
「いいから行け!自分達の国を取り戻すんだろうが!もし、上の二人が殺られたらこの国に未来はない!だから行け!」
ウェドは少し考えると、ありがとうと答え、フラットを引っ張って大階段を上っていった。
「死ぬなよ。お前達四人の敗北は、この国の、いや、俺達の国の敗北だ」
パールは客人用の部屋が多く用意された一つ上の階へ上がり、ドレーの攻撃をかわし続けていた。
「逃げてばかりか?」
パールは息も絶え絶えに一つの部屋の中に隠れ、壁を背にドアの隣に立った。
「面倒臭ぇな!」
ドレーがドアを蹴破ったのと同時に、短剣で身長の関係で高い位置にあるドレーの首を突き刺した。
案の定、ドレーにその攻撃は通らない。
「さぁ、悪足掻きは終わりだ」
ドレーは大きな掌でパールの首を掴むと壁に強く叩きつけ、首を掴んだまま、パールの足を地面から離した。
息をすることもままならず、無意味に足をじたばたさせることしかできなかった。
「やっと捕まえたぜ」
ドレーはまずパールの腹に軽く一発撃ち込む。
だが、パールには計り知れない程の衝撃が叩き込まれる。
「まだ、軽くしかやってないぜ!」
容赦なくもう一発叩き込まれる。
楽しむように立て続けにもう一発撃ち込む。
パールの首は垂れ、動かなくなった。
ドレーはパールの首を離した。
パールは地面に落ち、壁を背に座った状態になった。
「脆い女だな」
ドレーが部屋から出ようとした時
「・・・待ちなさい」
ドレーは無表情で振り向いた。
「私は、まだ・・・ここにいる」
パールは壁に手をつき、ふらふらになりながら、なんとか立ち上がった。
「どうやら、殺してほしいみたいだな!」
ドレーはパールの元へ歩み寄ると、無抵抗なパールに力いっぱいの拳を叩き込んだ。
パールは衝撃で飛ばされ、壁に背中を打ちつけた。
「そこでずっと眠ってな」
ドレーが振り返った時、目の前には剣を構え、勢いよく跳びながら、ドレーに向かってくるタクトがいた。