家へつき水無月は濡れたマントをハンガーで干した。珈琲を入れて椅子に座り額の傷を消毒し、カーゼで押さえた。小暑が机の上に座り水無月を心配そうに見た。
「水無月大丈夫??」
「これぐらい平気」
「・・ごめんね」
「小暑・・??」
「僕のせいで、また町の大人に何か言われるかも知れない。・・痛っ!!」
いつの間にか横にいた大暑が小暑の頭をゲンコツで殴った。
「お前は気が小さいんだよ」
「だって・・」
「そしたらまた俺らが力を貸せばいいだろ」
「ますます町の大人に何か言われるよ」
「なら・・」
大暑は机から下りて、額に手を当てた。大暑の体が光りみるみるうちに人の姿へと変わって行った。
「この姿で助けたらいい話しだ」
「うん♪」
「そうだ大暑」
「何だ??」
「大きくなったんだしついでにご飯作って」
「はっ!??」
水無月は黙って大暑を見ている。
「うっ!!・・分かったよ」
「僕も手伝うよ」
小暑も額に手を当てるとみるみるうちに人の姿へと変わって行った。
「・・クス」
「どうしたの水無月??」
「あんた達って本当に正反対だよね」
「そうかな」
「そうだろ」
小暑は色白で栗色の天パがかった髪で、青い瞳で身長は168センチでやや低めの可愛い系の美少年。大暑は色黒で色素の抜けた金髪に、紫の瞳で身長は181センチでヤンキ-系の美少年。小暑が兄で大暑が弟の正真正銘の兄弟だ。
「特徴的だね。羨ましいな」
水無月は白い肌に真っ黒の髪。桃色の唇に身長も160センチで普通の女の子。ただ顔は整っていて美少女で、瞳の色が血のように赤い。
「水無月も充分変わってるよ」
「あんまり嬉しくない」
大暑は水無月の前に膝をつき頭をポンポンと叩いた。
「別にいいじゃねぇーか。お前はお前のままで」
「そうだよ」
「・・うん」
「さてとっ!!そろそろ飯でも作るか!!」
「大暑・・ありがとう」
「俺の飯は高いぞ」
「うん」
(そうじゃなくて)
(励ましてくれて)
(ありがとう・・)