――ワイルド・ワン リズム隊レコーディング
慶「もう一回お願いできますか?」
慶太郎がヘッドホンしなおし、ドラムを前に座る
その様子をガラス越しにちひろと翼、そして2人を連れてきた隆一は眺めていた
翼「あいつ…また上手くなった」
ち「…。」
隆「慶太郎の奴、まるで叩くたびに成長してんやないかってぐらいどんどん上手くなってる。俺も、まだまだ頑張らんとなー」
規則正しいリズムを刻む慶太郎を見ながら隆一は苦笑した
翼「…なあ、隆ちゃん」
隆「ん?」
翼「俺らも…東京に出ようかと思うねん」
隆「……そうか…ふーん」
翼「何やねん、その興味のなさ」
隆「いや、それはお前らが決めることやし…いつ?」
ち「今すぐにでも」
隆「ふーん…じゃあ、うちに住めばええやん」
翼ち「え?!」
隆「だってまだあの家余裕あるし…どうせ金もなーんもないんやろ?しばらくうちに居れば?」
翼「え…今すぐでも?」
隆「今日にでも帰って荷物持ってくれば?」
ち「ほ…ほんまにいいん?」
隆「ええよ。テツもヒロもお前らのこと気にいってるし…」
翼「隆ちゃん…」
翼ち「ありがとう!」
隆(そんないいもんじゃないと思うけどな