目が覚めるとまだ朝方。ベットから立ち上がりキッチンへと向かい、お鍋に入っている昨日大暑が作ったシチューの余りを暖めて珈琲をカップに注ぎ、シチューを器にいれて珈琲と一緒に持ち部屋に戻り机の上に置き、椅子に座った。机の上に置いてあるペンダントを首にかけてペンダント表面をそっと撫でると、ペンダントが光り中から大暑が出て来て机の上に座った。
「おはよ・・起きるの早いね」
「まぁ〜な!!小暑はまだ爆睡してやがる」
「まだ早いから寝させてあげよ」
「ああ。俺もシチュー食べよ」
大暑は大きくなりキッチンへ行った。水無月は窓に近寄り、手で窓についた霜を拭いた。窓から外を見るが虫や鳥達の姿は無くなっている。
「今日は雨強いし・・霧も濃いな」
「・・・!!水無月っ!!」
シチューを持って戻って来た大暑が叫んだ。
「えっ!??」
(刹那。一瞬で何が起こったのかよく分からなかった。分かったのは大暑に呼ばれ振り返ると、大暑は持っていたシチューを落とし、私に駆け寄り私を抱きかかえて窓の横に飛んだ。窓の割れる音がした。)
「・・ん・・」
「水無月息なるべく止めとけ」
「!!??」
大暑は水無月を抱えながら自分の服を水無月の口と鼻に押し当てている。水無月は自分の服で口と鼻を押さえた。
「何が起こったの??」
「誰かが殺生石を投げ込みやがった」
大暑は自分の服で口と鼻を押さえて、水無月から離れて立ち上がり、部屋中を見渡した。
「あった。水無月来い」
大暑は殺生石を手に取り、家の窓を全て開けて、水無月と家の外に出た。
「ここで待ってろ」
「分かった」
水無月は玄関を出た所で大暑を待っていた。10分ぐらいすると大暑が戻って来た。
「殺生石は??」
「潰した」
「そっかもう家の中平気かな」
「もう大丈夫だろ」
家の中に二人で入ると部屋の空気は清んでいた。大暑は一度ペンダントの中に戻ると、小暑を叩き起こして出て来た。
「ふぁ〜!!いきなり何〜??」
「部屋の掃除だっ!!」
小暑が部屋を見渡すと、窓ガラスは部屋中に飛び散り、シチューは溢れて器は割れている。
「汚なすぎ・・何があったの??」
「説明は後だ片付けが先」
「は〜い」
三人は黙々と部屋を片付けだした。