ここは森の中にある、キレイな湖。
誰かが近くにあるおっきな木を、魔法で柔らかくしてポコポコ叩いています。
『ないないな〜い。』
それはチビの魔女。
すると、大きな木がたまらず言いました。
『宝はノッポの魔女が持ってるよ。』
誰かが湖の中にある花を、魔法で息をしながら踏んづけています。
『もうもうも〜う。』
それはノッポの魔女。
たまらず花が言いました。
『宝はプックリの魔女が持ってるよ。』
誰かが大きな岩を、魔法でクッキーにして食べています。
『もぐもぐも〜ぐ。』
それはプックリの魔女。
たまらず岩が言いました。
『宝は王様が持ってるよ。』
王さまは家来に言いました。
『宝はどこにある。』
家来は言いました。
『宝はチビの魔女が持っております。』
宝は誰が持っている?
チビの宝は
“背の高さ”
ノッポの宝は
“ふくよかさ”
プックリの宝は
“珍しいケーキ”
王さまの宝は
“自由”
宝は誰が持っている?
それは、とても遠くてとても近い国のお話。