ドアの隙間から外を覗いてみると、覆面にサングラスの男が何か叫んでいる。
「やばい。なんか嫌な予感がする」
警察に電話をしようとしたとき、覆面男は叫んだ。
「あなたの作品、うちで出版しません?」
夢を捨てた俺に、もう一度チャンスがきたのかもしれない。
俺は急いでドアを開けた。
覆面男は遠慮もせずに入ってきた。
「有川梅助さんですね。」
「そ、そうですが…」
「ちょっと、家の中拝見させてもらいます」
「えっ、何するんですか!」
覆面男は勝手に俺の部屋に入り、机の上を荒らし始めた。
「勝手に何してるんすか!」
「……あった、あった。これ、あなたが書いたノートですよね。」
「それは[トリックノート]。俺が昔からかき続けている…って何でそんなこと知ってんすか!」
「…それは、秘密です。まあ、これであなたはうちに入社できるでしょう」
「入社!?何のことですか?」
「とりあえずゆっくり話しましょうか。」覆面男は勝手に腰をおろして、一枚の紙を机においた。