松山くんは全力でエリカのことを愛してくれた。
「エリカ、俺、昼の仕事見つかったんだ…それで…今の仕事やめて一緒に暮らさないか?」
松山くんはエリカの体調を心配してくれていた。仕事がストレスになることも、幸村さんがエリカの負担になっていることも全部知っていた。
「俺はエリカのために仕事をさがしてちゃんと就職したんだ。
最初は給料もたいしてよくないし、苦労させるかもしれないけど、俺についてきてほしい。」
エリカのことをこんなに愛してくれた人が今までいただろうか。
松山くんは、まだ、エリカが幸村さんを好きなことにも気づいていた。
それでも文句ひとつ言わなかった。
これから先エリカにこんなに尽くしてくれる人が現れるだろうか…
エリカは幸村さんへの想いを断ち切るためにも、松山くんの気持ちに答えるためにも、幸村さんのもとを離れ、松山くんと一緒に暮らすことを決意した。