ガリードと呼ばれた兵士はコッペルが去って行った森の奥を一瞥して剣を一振りすると、黄色いマントを翻して荷物の元へ戻っていった。
ザック、ダリル、リリア、ミーナ、エナンの五人は落胆したような表情を浮かべながら、小屋の扉を開けた。
そこには既にメディナが席に座って待っていた。
｢まさか奴らがクリスタルクラッシュを育成していたとは…｣
エナンは席に座りながら、大きく息を吐いた。
｢あのクリスタルクラッシュ、相当訓練されてるわ｣
メディナは難しい顔をして頭を掻いた。
｢訓練？｣
｢ええ。エネルギー波を瞬時に作り出して放つのは相当難しいのよ。訓練を重ねていないと出来る事では無いわね｣
｢あの…｣
ザックは席に座って不思議そうな顔をしながら、手を上げた。
｢何ですか？｣
｢クリスタルクラッシュって何なんですか？｣
｢…｣
メディナを除く四人は呆れたような表情で、ザックを見た。
｢お前、学校にはちゃんと行ったのか？｣
｢そりゃ行ったよ｣
｢習わなかったのか？帝国側の最強部隊クリスタルクラッシュを｣
｢帝国…ああ！｣
ザックは大きく頷いた。
｢クリスタルの力を自由自在に操る特殊部隊にして反旗を翻した属国を最後まで苦しめたクリスタルクラッシュ！それがあの兵士たちなんですか！？｣
｢残念ながらね｣
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