『お母さん!』
119番…119番と電話を取ったものの、
耳が聞こえないから意味がない。
アキはカズヒロにメールをして、救急車を呼ぶよう伝えた。
放課後、集まっていた所にメールが来た。
「アキのお母さんが倒れたって。」
「えっ?」
サユ、ヒロ、ユウタ。全員驚く。
「俺救急車呼ぶように頼まれたから呼んでくる。」
カズヒロは119番に電話するため席を離れた。
サユは酷く悲しんでいた。「…サユちゃん。そんな悲しむなって…。」
ユウタはサユをなだめる。「だってアキのお母さんがもし死んだら、アキ…ひとりぼっちになる。」
「えっ…お父さんは?」
ヒロが尋ねると、
「交通事故…。」
「そうなんだ…。」
ヒロ、ユウタもサユが落ち込んでいる真の理由が分かった。
その頃、119番したカズヒロは、トイレにいた。
『すいませんカズヒロくん。アキの父はもう亡くなっておりまして…。』
『親子の時間を奪わないで!』
この2つの言葉の理由は、アキのお母さん自身具合が悪いことを分かっていたからなのか。
だから、親子の時間を大切にと言ったのか。
カズヒロは、悔しさと悲しみのあまり、拳を叩きつけた。
このままじゃ、アキが最悪ひとりに…。
「どうすればいいんだ俺は…。」
カズヒロは病院へ走った。その光景を見たサユは、
「私たちも行こう。」
と言ってサユ達も病院へ走った。