叶うはずがなかった…
幸村さんとエリカ、2人だけの世界なんてあるわけがない。
幸村さんには大切な人がいて、エリカには松山くんがいる。
それでいい…
欲張って松山くんまで失ってしまうなんてエリカには耐えられない。
幸村さんに傷つけられた心を癒やしてくれるのは松山くんしかいなかった。
それなのに、なんでこんなに胸がチクチク痛むんだろ…
消えない心のモヤモヤ…
「離して…」
「うそつき…」
心のモヤモヤは増すばかりだ。
「エリカ!?」
心臓がバクバクして死にそうだった。
目の前が真っ白になって視界からゆっくりと幸村さんが消えていった。