メディナは小さく頷いた。
「あれがクリスタルクラッシュ…」
ミーナはポツリと呟いて、唇を噛んだ。
「奴らに対抗する事はできないんですか?」
リリアは眉間にしわを寄せながら、メディナに尋ねた。
「普通の人間ではまず無理ね」
「…そうですか…」
「ただ、対策が全く無い訳では無いわ」
「え?」
ミーナ、ダリル、リリア、ザックは一斉にメディナを見た。
「私たちもクリスタルクラッシュを育成するのよ」
「!」
「…あの剣ですね?メディナさん」
エナンは鋭い眼差しをメディナに向けた。
「そう。あれはクリスタルクラッシュ専用の剣。父から与えられた物よ」
「え?剣?」
ザックは訳が分からないといった表情で、首を傾げた。
メディナはザックが立てかけた剣を指差して、
「あなたに与えた剣よ。それはクリスタルクラッシュ専用の武器なの」
と、言った。
「え…えええっ!?」
ザックは驚いて、声を上げた。
「あなたならその剣が何かわかってもそれを悪用する事はないと思った。だから贈った」
メディナは神妙な顔でそう言うと、小さく息を吐いた。
「ただ…こんな形で必要になるとは思ってもみなかったけれど…」