「…勘違いしているようだけど…」
メディナは小さく息を吐いて、ミーナを見た。
「クリスタルを使って人殺しをする訳では無いわ。あくまでも相手からクリスタルを奪う為よ」
「…え?」
ミーナは涙を拭いて、目を大きく見開いた。
「ミーナ、私たちの目的はクリスタルの奪取よ。絶対にそれ以外の目的でクリスタルクラッシュは使わないわ」
リリアは優しい瞳でミーナを見つめながら、諭した。
「…はい…」
ミーナは眉間にしわを寄せて、力無く頷いた。
「…で、誰がクリスタルクラッシュになるんだ?」
ダリルは周りを見渡しながら、メディナに尋ねた。
「ザックよ」
「え…僕…?」
ザックは口をポカンと開けて、自身を指差した。
「どうして彼なんですか?」
「理由は簡単よ。ザックはこの中で唯一、中立的立場にある。力を使う時に余計な意識が入り込む事は無いと思っての指名ね」
「なるほど」
エナンは納得したように頷いた。
「中立的立場…ですか?」
「あなたは彼らと友達だった訳では無いし、クリスタルの被害を受けた訳でも無い。これが中立的立場と言った理由よ」
「…はあ…」
ザックは難しい顔をして、首を傾げた。