隼人は家への道を歩いていた。
零がメッセージをもっている以上、
明日病院へ面会に行って
受け取るしかない。
いま思えば探偵の助手に
なってから
いろんな体験をしたなぁ
隼人はそんなことを
思っていた。
そして隼人が信号まち
をしているときの
ことだった。
信号が赤なのにもかかわらず、一人の女性が
横断歩道を渡り出した。
「・・・っ!?・・ちょっと!!」
どうやら歩きながら
携帯をいじっているようだ。
ビ−−−ッ!!!!!
大きなクラクション
女性にトラックが迫る
「迷ってるひまはないか・・・」
隼人は冷静だった。
(零からうつった?)
車が来ないことを
確かめると
一気に車道に飛び出し
女性の腕を引っ張る
そしてそのすぐ横を
トラックが通過して
行った。
「すみません・・っ」
女性は目に涙を溜めていた
「大丈夫ですか?」
相当怖かったようで
半分放心状態だ。
「だ・・大丈夫です」
さっきはあまり顔は
見えなかったが
今ならハッキリ見える
歳は隼人と同じくらい
だろうか。
整った顔だちの女性だった。
「本当にありがとうございます・・あの・・」
少し間を開けて言った。
「私、伏見綾子っていいます」
「ああ、・・えっと俺は山下隼人・・」
「山下さん本当に助かりました・・これ、一応名刺です」
そう言って一枚の紙を
差し出す
「これ、連絡さきも載ってるので、またいつでも連絡ください。お礼をしたいので・・・」
「わかりました!」
返事を聞くと綾子は
また走り出した。
「あの〜、気をつけて!」そう言って隼人は綾子の背中を見送った。
ふと、手元の名刺をみて
隼人は絶句した。