誰かが謳う。
耳障りな詩。
誰かに縋る浅ましい詩。
ただの迷信だと知ってるくせに、
弱い奴らだ。
カエデ「私もいると思うよ。名も無き英雄。」
1つ年上のカエデが言う。
サクヤ「誰も見たこともあったことも無いのになんでそいつがやったってわかるんだよ?」
カエデ「あ〜あ、ヤダヤダ。ネクラ男はだから嫌いなのよ?」
サクヤ「オッ俺は慎重なだけだ?」
カエデは孤児だ。
俺も…
他に3人のちびたちが
俺たちの家族だった。
俺もカエデもそれぞれ仕事がある。
カエデはパン屋の店番。
俺は掃除屋。
朝はいつもたわいのない言い合いを交わす。
それがいつもの日課。
なんでもない
こんな日々が
一瞬で消えることをカエデも、俺も知っている。
それはほんの一瞬…。