--*--*-次の日-*--*--
「きっ…如月さん。
昨日は…ごめん!」
あたしは、頭を深く下げて謝った。
でも、美音の返事がない…。
「―如月さん…?」
あたしは、下げていた頭を上げて
美音の方を見た。
すると―\r
【カチカチ、カチカチカチ…】
美音は熱心に、
携帯でメールを打っていた。
「あれ…いたの?」
美音は、あたしに気付いたようだ。
「うん…謝りたくて。
昨日はごめんね…」
「昨日?何の事よ?」
「え?喧嘩の事だよ」
「は?惚けないで!
美音…知らないから」
「美音こそっ…!」
「邪魔!メールの邪魔…
今、憂也とメールしてんの。
邪魔しないでよ!」
「え―?森田と…メール?」
そういえば、美音…
昨日、森田に告白して
返事…OKだったから―\r
メアドまで交換しちゃって…
いいな…なんて思ったけど―\r
「美音、ちょっと来い。」
「あ!憂也♪助けて。
音無さんが〜…」
「音無、マジで?」
「えっ…何が…?」
「惚けんな、バカ。」
「えっ…あたし何も…」
ひどい。
あたし、何もしてないよ…。
謝っただけなのに…
悪い事の一つもしてないのに…
あたしは、美音に裏切られた。
もう、あの日のようには…戻れない。
無邪気に笑い合った日…
恥ずかしがりながら
恋バナした日…
今までの人生を
共に乗り越えて来た…
たった一人の親友だったのに…
もう、二度と…
親友…いや、友達にさえ…戻れない。
もう…二度と。