零は病室から外の景色を
眺めていた。
最近できたであろう新しい公園がちょうど見える。
今日は平日なので公園には老人しかいなかった。
老人たちはゲートボール
をしているようだった。
その時病室のドアが勢いよく開いた。
「たいへんですよゼ・・いや、零さん!」
隼人が息をきらしながら
駆け込む。
「どうしました?」
「テレビ・・・みましたか・・?」
零は首を振る
「あいにくこの部屋にはテレビがないもので・・」
この病院はあまり大きくないのでテレビがついて
いる部屋はすくない。
「新しい・・予告状が・・届いたそうです!!」
零は静かに頷いた。
「そうですか・・一体何処に?」
「あの・・えっと・・山の奥の別荘だとか・・」
隼人は目を泳がせている
「・・・とりあえず内山刑事に連絡をとりましょう」
「そうですね・・」
隼人は携帯電話を取り出す。
「ちょっと、隼人さん・・」
「なんです?」
「携帯、電源きらないと・・・・」
隼人は慌てて電源を切った
「すいません・・」
病院には繊細は機械が多い。携帯の電波などによって誤動作を起こす場合もある。
「たしか受付の横に公衆電話があったはずです」
零は杖を何処からか取り出してベットから立ち上がった
「あれ?足も怪我したんすか?」
「いや、腹を刺されただけですよ、腹筋に力を入れると痛くて・・・・・・腹筋って日常生活のなかでけっこう使うものですね・・」
少し間をあけて続ける
「杖がないと立つことすらできません。」
隼人は少し肩を落とす
「なんかすいません。俺がふがいないばかりに」
零はニッコリと微笑んだ
「いいんですよ隼人さんには格闘的スキルがありませんし!」
「どういう意味ですかっ」
「ははっ・・痛っ・・さて、行きますよ」
隼人と零は病室を後にした。