「こいつにクリスタルが扱えるんですか?」
ダリルはザックを指差して、尋ねた。
「訓練すれば誰でも扱えるようになるわよ」
「誰でも…ですか?」
「ええ。クリスタルを付けるだけで剣からエネルギー波を放てるようになるからね。後は訓練を積む事で精度が増していくわ」
「手軽に扱えるんですね…クリスタルって…」
リリアは拍子抜けしたような表情で、呟いた。
「ところがそうでもないのよ」
メディナは剣を鞘ごと腰から抜いて、一振りした。
「クリスタル付きの剣はこの一振りだけでエネルギー波が出てしまう。だからこれを制御する力が必要なのよ」
「制御する力?」
「そう、それが精神力よ。これが水準以上ないとクリスタルの力を制御できない」
「精神力ですか…抽象的でちょっとよく分からないですね」
エナンは首を傾げた。
「力を使う時にクリスタルが光るの。その色が青なら大丈夫。赤なら制御できない。これで判断できるわ」
「なら誰でも扱えるっていう訳では…」
「これはその時の使用者の精神状態によって変化する仕組みよ。気力充実している時なら問題なく誰でも扱えるわ」
「へえー」
それを聞いたダリル、ザック、リリア、エナンの四人は感心したように一斉に頷いた。