がんばったで賞 62 〜あなたに出会えて幸せだった〜

るー6  2010-09-24投稿
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カズヒロは食べようとしたが、少し躊躇してしまう自分がいた。
「なぁアキ…。」
『どうしたの?』
「これ、お母さんが最後に作ったやつだろ?俺なんかが食べていいのかな?」
アキは大きく頷いた。
「そうか。」
しばらく食べ進めていると、
『あ…カズヒロ…。』
「ん?」
『私、明日から学校行くよ。』
「そうか。」
カズヒロは、あえて何も言わなかった。
『つらい時とか、困っている時とか、あなたがいるもの。私自然と笑顔になれた。ありがとうカズヒロ。』
「こっちこそ、ありがとう。」
2人の時間は、あっという間に過ぎていった。
帰りぎわ、玄関でカズヒロはアキに告げた。
「ずっと味方だ。…アキはひとりじゃない。」
『うん。そうだね。』




カズヒロ…。

あなたが側にいてくれたことで、

どれだけ私が救われたと思う?

それはきっと、カズヒロが思ってる以上だよ。

私はあなたに出会えて幸せだった。

本当に幸せだったよ。

これからもずっと、私の側にいてね。




…アキ。
君は、とてもつらい人生を歩んできていたんだね。

アキにとって、幸せが少しでも増えますようにって、

俺はずっと祈っているよ。

こんな早くに両親を亡くしても、頑張って生きようとしているアキは、

俺の励みになるよ。

俺はアキの支えになれるように、

努力していきたいよ。




2人の思いが、高まっていく。

でも、その思いをぶち壊しにする人は、すぐ近くにまで来ていた。

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