エリカは幸村さんに何も言えなかった…
次の日から幸村さんから連絡がなくなった。
幸村さんはもうエリカのこと忘れたいのかな…
病院の窓からずっと外の景色を眺めていた。
もしかしたら、その中に幸村さんがいるんじゃないかと思って…
“元気になったらまた店にもどっておいで”って幸村さんが笑顔をくれるんじゃないかって期待してた。
幸村さんはエリカを忘れてしまったんだ…
ガラっ
「幸村さん!?」
「あ、ごめん、オレ…」「松山くん…」
「今日退院だからさ…
迎えにきた。」
まただ…
涙がとまらなかった…
「ごめ…ん…」
エリカは最低だね。
大好きな幸村さんを傷つけて…エリカを大切にしてくれる松山くんを傷つけて…
エリカの中途半端な気持ちでみんなを傷つける。
エリカは幸村さんの商品、松山くんはエリカのたった1人の彼氏。
そんな簡単なこと、どうして理解できなかったの?
涙をながしすぎてエリカのこころはすっかり渇いていた。