ここは警察署の刑事科の
一室のベランダ。
中年というに相応しい
刑事が一人煙草をふかしていた。
「全く、何処もかしこも
禁煙 禁煙って、一服できるのもここくらいなもんだ」
そう言って男はふぅっと
煙をはいた。
ふと下を見下ろすと補装された道路が見える。
「おっ、もうパトロールの時間かぁ?」
一台のパトカーが警察署から出て行ったのが見えた。
この人こそ内山刑事である
「昼メシは何を食おうか」
そんなことをいいながら
煙草を携帯灰皿に入れたとき、携帯電話が鳴った
プルルルップルルルッ
「はい?」
「あ、もしもし?内山刑事ですか?」
何処かで聞いたような
声。
「そうですが・・どちらさん?」
「ゼロですよ探偵ゼロ」
「あぁ、あんときの!」
そのとき内山刑事は
嫌なことを思い出した
初めて会ったときの
ことだ
「・・・で、用件は?」
「例の予告状ですよ。また届いたと聞いたもので」
「あぁ、」
「詳しいことを教えてください。」
−−−−−−−−−−−
「・・わかりました。ありがとうございます。」
そういって探偵ゼロこと
神崎零は受話器をおいた
「で、何処届いたんです?」
すかさず隼人が質問する
「それは・・・・」
零の声は騒音に掻き消された。
「道を開けてくださ−い!」
正面玄関を見ると救急車がかすかに見える。
「すいません。もう一度お願いします・・」
「いいですか、言いますよ・・伏見コーポレーションの社長の別荘だそうです」