「お、は、よ、うー!!風香、どうだったのよ」
「どうって・・・」
朝登校するとすでに琴那がいて、昨日の出来事をきいてきた。
昨日は、あの後気まずくてほとんど何にも話さないで、それでも「一緒に帰る?」と澪が言ってくれたので一者に帰れた。外はもう暗くなっていた。自分より十五、六センチは背が高い澪を見上げるとそれに気がついたのかこっちを向いて微笑んでくれたのは良く覚えている。それは、すんごく・・・
「う〜んとね、すんごくキレーで、超カッコよかった」
「そう、ねえ津軽君ってたしか野球部だったよね?今、朝練してる。ほら今投げたとこ。うわ、はっえ〜」
琴那が言った通りに澪はボールを投げていた。
「風香、あのさ・・・津軽君って目つき悪くない?ほら、髪だって長いし」
目つきか〜、昨日はそんなこと気にしなかったなぁ・・・っていうかむしろ顔立ちがそれにあってて、違和感なし。逆にそこがカッコよかったわけで・・・
「私はあんまし気にしなかったよ」
「そっか、じゃ、いいや」
琴那はクスクスと笑っていた。
「なんで笑うのー!」
「だって、ニヤニヤして津軽君見たんだもん。風香、カワイーって思っただけ」
そんなこと言ったってカッコいいんだからしょうがないじゃん。昨日はそこまで思わなかったけど、帰り道で見たあの顔、あれはずるいほどカッコよくて、キレーで、一瞬私の動きが止まったもん(きっと、たぶん)
「澪はカッコいいよ!世界一!!」
私は胸を張ってそう叫んだ。後々後悔するはめになる。