―――公園
伸「なんかほっとするな」
秋「うん、そうやな」
伸昭は秋奈の少し前を歩きながら、遊んでいる子どもや家族を自分も楽しそうに眺めた。そんな彼の後ろ姿に、秋奈も自分の表情が緩むのを感じた
秋「いっこ聞いていいー?」
伸「ん?」
秋「百合さんとはどうゆう付き合いやったの?」
伸「あーそこ聞いちゃう?」
秋「うん、聞いちゃう」
伸「そうやなぁー遊ばれとったなぁ」
秋「え?」
伸「…百合はな、俺の家庭教師やってん。それで、気付いたら惚れてたんやろーな。ほんま、ついうっかりやわ。勉強どこじゃなかった」
秋「…。」
伸「あいつも同じ気持ちなんやと思ってた。…でも、ずっと婚約してた彼氏がおってんて。嘘つかれてた。あいつからしたら、俺なんてガキやったんやろなー」
秋奈の中で聞いてしまった後悔が膨らんだ。それに対して振り返った伸昭は、相変わらず笑っていた
伸「俺もある意味一緒かもな。恋なんかそんなもんかって、もうずっと呆れてる。俺の恋もだめだめや」
秋「…」
伸「あ、そうや。秋ちゃん、今日はあそこ行こうよ。」
秋「え?」
伸「俺も行くからさ」
そう言って伸昭は目を細めて笑った