第一話
その日は突然やってきた。
その日も、朝おきていつもの様に、ゆずちゃんとメールの交換をしていた。(週末はメールしやすい)
僕は「取引先の会長が他界されたので社葬に参列してくる。長生村遠い」などとメールをして、ゆずちゃんは「大変だね、休めないね」などと僕をねぎらってくれいた。(いつも思っていたが、なんて優しい女性なんだろう)
ゆずちゃんからのメールには、『今日の夜はママ友と飲み会』と書いてあった。何処でやるか場所を聞いた。駅前だった。
端っこで1人で飲んでようかとも思ったが、そんなこと出来っこない。ずるがしこい頭を駆使したが、良いアイデア無く、ほぼ諦めながら通夜に向かった。
通夜に向かう途中ゆずちゃんにメールを打つ。運転しながらだが、高速道路はほぼ真っ直ぐなので大丈夫。
ゆずちゃんから『いってらっしゃい』の返信あり(いつも思うが、きちんと返信をくれる。とても嬉しい)
高速を、「先で飲みに誘われたらどうする」とか、「運転代行も高いだろう」とか、「いかがわしい店に連れて行かれたら・・・」とか妄想しながらドライブ。
その日の夜にゆずちゃんと・・・なんて、想像もしていなかった。