「遅かったな」
基地につくやいなや、ケイヤが出て来て、僕の顔を見てそう言った。
僕は、クロエに『スカイ』から降ろしてもらい、自分より少し背の高いケイヤの前に、バイクと共に立った。
強い風が吹き抜ける。
ケイヤの短くした鮮やかな金髪がなびいた。
「仕方ないだろ。『スカイ』が暴走しかけたんだからさ。そんなことよりも、所長が仕事ほっぽりだしてお迎えにあがってもいいのかい?」
僕が言うと、ケイヤは顔を綻ばせた。
「仕事は優秀な部下に任せてある。だから大丈夫だ。それよりも、『スカイ』が暴走しかけたって? そっちの方が気掛かりだ。よしっ! 今から飲みに行こう! そこで詳しく話してくれ!」
「いやいや……。昼間から酒を煽るつもりかか? お前は」
「え? だって、もうすることないし、暇だし」
「仕事しろよ!!」
僕は大きな声でツッコミをすると、イヤホンマイクからクロエが、
『なになに? 今から飲み行くの? 私も行っていい?』
「なぁ、ソラ。かたいこと言うなって。飲もうぜ! どうせお前ももう任務ないしな!」
僕は額に手を当てる。
この間から思っているが、こんなのばかり僕の周りにいるな。
『ねぇ、いいでしょ!』
「行こうぜ、ソラ!」
「うぅー、もう! 行けばいいんだろ! クロエはまず倉庫に行って、『スカイ』を置いて、着替えてこい! 戦闘スーツじゃ目立つからな!」
『ぃやったー! ありがと、ソラー!』