アキは、少し考えて
『言ったほうがいい。それが例えダメだったとしても、私がちゃんと励ましてあげる。』
「アキ〜。」
サユはアキの手を握った。「ありがとう。相談に乗ってくれて。」
『ううん。友達でしょ?』「うん。」
アキは、知らない。
サユは、カズヒロのことが好きだということを。
そしてこの恋愛相談も、カズヒロと、アキのことだということを。
朝6時。白愛駅前。
キャンプの出発の朝だ。
カズヒロは、
「よし!今日は楽しんでいこうぜ!」
「オー!」
『オー!』
人がまばらな駅前に、若者の声が響いた。
電車を乗り継いで、バスに乗って、
移動は大変だったけど、別に苦にはならないほど盛り上がった。
とある山のキャンプ場。
「気持ちいい!」
サユが思わず言葉を洩らした。
雄大な自然に囲まれて、空気もおいしい。
「けっこう穴場のキャンプ場なんだけど、いいだろ?あまり人がいないから、ゆっくりできそうだし。」
カズヒロは1人でキャンプ場を紹介している。
他の4人はさっそくコテージへ急いだ。
「まったく…。」
カズヒロは、重い荷物を1人持って、コテージへ向かった。