翼「何しけた顔でさすらってんの?」
酔っ払いチームから離れ、ベランダにたって1人外を眺めていたちひろに翼が声をかけた
ち「別に〜」
翼「ふぅん。あ!上京のこと、親には何か言われた?」
ち「翼は?」
翼「まあ、頑張れってさ。ほんと父さんには感謝するわ。で?お前は?」
ち「…ばかやろうやってさ」
翼「え?!」
ち「僕んちのパパママ厳しーからさ。でも…ええねん!」
翼「え、ええねんって…」
ち「…あのねー慶太郎のお兄ちゃんおるやん?」
翼「あぁ…達也君?」
ち「僕の一番の憧れやってん。ずっと…」
翼「…?」
ち「僕がドラムを始めたのは小6の時。幼なじみやったノブが中学に入って、バンドを始めて、それで教えてもらったの。まあ、最初は音楽室で遊べる程度だったんだけど。ある時ね、ノブが初めてライブに連れてってくれた。…それがワイルド・ワンやった」
―――7年前 ライブハウス
伸「やっぱかっこよかったなぁ〜ワイルド・ワン!知ってるか?あのバンド、手売りのCD300枚、全て完売やって!なんか、地元でこういうバンドがいるとテンション上がらん?なあ、ちひ……あれ?ちひろ?…どこ行ったんや?」