それからしょっちゅう、達也君の所に行っては話をした。弟子にはしてくれないくせに、達也君はドラムのこともいっぱい話してくれた。僕もいっぱい質問した
そして、ある日―――\r
ち「あ、達也くー…」
達「あ!慶太郎!」
ち「?!」
僕が話しかけるより先に達也君が見つけたのは、彼だった
慶「うん」
達「うんって何や。どうやった、今日のライブ!」
慶「うん」
達「だから、うんって何じゃい。ほんまにお前は〜」
ち(あれが達也君の弟かぁ〜いいなぁ、あんなお兄ちゃんがおって)
達「今から打ち上げ来るか?」
慶「うん」
ち(いい人そうやなぁ…)
* * *
ち「いいなぁ、僕も達也君の弟がよかったな」
達「お前、姉ちゃんおるんじゃなかった?」
ち「おるよ。でも、あんな姉ちゃん嫌いや!」
達「なんで?」
ち「いっつもパパの言いなりやもん。言うこと聞かない僕のこと、いっつも困った目で見る」
達「ふぅん」
ち「僕ね、本当は達也君みたいにバンド組んで、ドラムやりたいねん。でも、パパは音楽じゃなくて勉強しろっていうんだぁ」
達「言うたらええやん。ドラムしたいって」
ち「えーやだよー」
達「なんで?」