リョウタの背中。
何か恥ずかしくてしっかりつかめない。
他人の視線が変に気になるし…
おまつりの会場についてからも、何か恥ずかしくて少し離れて歩いた。振り返るリョウタと目が合う度にドキドキした。
かき氷を食べながら一緒に花火を見た。話しかけるリョウタの舌はブルーハワイのブルーに染まってた。
『妖怪人間(笑)』
「なんでだよっ!☆」『だって、青くなってるよ(笑)』
リョウタは話すのを止めた。遠くをじっと見つめて…
そこには仲良く並んで花火を見ているカップル。………リョウタの元カノ。アタシは気付かないフリして夢中でイチゴあじのかき氷を食べた。
花火も終わり、みんな次々と帰っていく。あれからリョウタは違う遠くの場所を見つめてなにも話さない。
アタシも黙ったまま隣りに座っていた。