第13話
抱きしめると自然に彼女の肩や、背中に僕の顔が埋まる。
僕の唇が彼女の胸に移ると、彼女は両手で僕の頭を強く引き寄せ、顔をつけながら吐息を漏らしていた。(僕は無我夢中だったが、シャワーを浴びたのは朝だったので、自分の頭の匂いが気になった。たまに冷静になるから不思議だ。)
そして僕の唇は再び彼女の桃色をした頬全体を愛撫し、唇へ移っていった。
どの位そうしていたのだろう…。
気がつくと二人は再び公園を歩いていた。お互いのマンションに向かって。
実に不思議である。
繰り返すが、ゆずちゃんは僕の「ド」ストライクである。
そんな彼女と夜中に二人きりでいたらホテルに連れて行くはずが、全くと言っていいほどそんな気持ちにはならなかった。
大切にしたいのであろう。