「そうか。ならば行く価値はあるな」
スレイは大きく頷きながら、マーチンを見た。
「マーチン、ボロスと共にグレアム博士の所へ行ってくれ」
「かしこまりました」
マーチンは恭しく頭を下げた。
「そうか!大成功だったか!」
エリックは嬉しそうな顔で、何度も頷いた。
「盗まれた物を持っていた敵は彼らの力を見て尻尾を巻いて逃げ出したそうです」
アギールはニヤリと笑って、意気揚々と説明した。
「よしよし、力を見せつければ当分の間はあれに手出しはできまい。これで計画が思うように進められる」
「ではいよいよ…」
「そうだ」
エリックは邪悪な笑みを浮かべると、
「忙しくなるぞ。ここからは真の覇道を突き進むのだからな!」
と、語気を強めて言った。
「ははっ!」
アギールは声を上げて、勢いよく頭を下げた。
「あれ?ミーナ?」
朝、野菜に水やりをする為外に出たザックは畑の前に座っているミーナを見て、目を丸くした。