「…。」
「見損なったよ。最低な男だなおまえ…。」
ユウタはカズヒロを突きとばした。
ヒロからも一言。
「謝るんだったら謝れば。俺はもう知らないから。」信じられない言葉だった。ユウタとヒロに見放された瞬間だった。
「ごめん!アキ!」
サユは心の底から謝った。『…最低、最悪。』
アキの手がサユの頬をビンタした。
『もう口も聞きたくない。まさか前日相談してた好きな人って、カズヒロだったの?…もう、呆れたわ。』アキのとまらない攻撃。
『行って。1人で帰れば。』
冷たく、そして激しく憤怒した顔で伝えた。
サユはその場に立ち尽くしていたので、アキは1人でコテージへと戻っていった。
「あ…アキ!」
カズヒロはアキを追った。ヒロとユウタは、その光景をただ見ていた。
ロボットのように、表情ひとつ変わることがなかった。
呆れたのだろう。そこに、もう怒りはないようにも見えた。
「…アキ!」
カズヒロはアキを強引に振り向かせた。
「ごめん、でも俺は、別にサユとそういう関係じゃ…。」
アキはカズヒロの手を断ち切った。
『分かってるよそんな事…。っていうか、分かってる自分でいたいよ…。』
アキは、涙を流した。