一通り部屋を片づけ終わり、三人は椅子に座り休憩していた。
「綺麗になったねー」
「そうだな・・水無月??」
水無月は無表情でぼ〜としている。小暑と大暑は水無月の顔を覗き込んだ。すると水無月はその場でいきなり立ち上がった。
「うわっ!!水無・・!?」
水無月の瞳から涙が溢れ頬を濡らしている。
「水無月!?」
「聞こえ無い・・」
「水無月何が??」
「雨の音が聞こえ無い」
「えっ!??」
大暑と小暑も立ち上がり、小暑は窓の側に近づいた。水無月はゆっくりと玄関へと向かった。
「おいっ!!水無月!!」
「大暑!!見て!!」
「ん!??」
大暑も窓に近づき小暑と一緒に窓から外を見た。
「さっきから雨が止みそうなんだ」
「!!もう涙が枯れるのか・・??」
大暑は急いで玄関から外へ出た。小暑も後に続き急いで外へでると。小雨の中水無月は泣きながら空を見上げている。
「・・水無月」
「止まないで。お願い止まないで」
雨は少しづつ止んでいき、ついに雨が止んだ。水無月は地面に座り込みいきなり泣き叫んだ。小暑と大暑は水無月に近づいた。
「水無月大丈夫!??」
水無月はいきなり気を失った。
「・・・・おい」
「どうしたの大暑??」
「いいか今から出来る限りの広範囲にバリアをはれっ!!」
「えっ!??・・!!分かった」
「・・今だっ!!」
大暑の声をサインに二人は出来る限り町中に届くようにバリアをはった。空から何かが降って来て、バリアに凄い勢いでぶつかる。
「くっ!!・・何これ??」
「黒い・・雨!!??」
空からは黒い雨が降りバリアを突き破り少しづつ壊して行く。
「何て破壊力だ」
「大暑駄目だこれ以上はもたないよ」
「いいから耐えろ!!」
「分かった!!」
その時バリアを突き破った黒い雨は大暑の肩を貫通した。大暑の肩からは血が流れた。
「くっ!!」
「大暑っ!!」
「平気だ!!絶対水無月に当たらねぇようにしろ!!」
「うん」
次第に雨は止んで行き、完璧に雨が止み、二人はバリアを解いた。それと同時に二人は気を失った。