* * * * * *
合唱コンクールの朝は、いつもと何も変わらない朝だった。
今日は、いつもの練習の成果が出せればいいな。
あの日から聖人も、練習に参加してくれてたし♪
ピンポーン♪
と、玄関のチャイムが鳴るのと同時に、母の声。
『奈央〜!!聖人君が来てくれたわよ〜!!』
ひぁっっ☆
うそっっ!!
今日は迎えに行けないとか、言ってなかったっけ?!
『はっ‥はぁい。
い、今行くっっ!!』
ドタバタドタバタ☆
あせりつつも、髪型だけは、ちゃんとチェックするあたし。
うん、よし!!
オッケー♪
いざ出発!!
『おっ‥おはよ聖人。』
『おぅ。おはよ。』
ドキッ‥‥
え?!何か今日の聖人、いつもと雰囲気が違う‥‥?!
髪型が少し違うせいかな?!
ドキドキドキドキ‥‥‥
いやだ。
なんかドキドキしてきた。
『‥‥どした?!
俺の顔に何かついてる?!』
はぁうっっ‥‥そ、そんなに顔を覗き込まれても、困るんですけどっっ/////
『もしかして奈央、合唱コンクールだから緊張してる?!』
そ、そうじゃないですからっっ/////
『ち、違うもん。
あ、あたしより聖人の方が緊張してるんじゃないの?!』
いやだ。
何ムキになってるの、あたし。
『‥‥‥‥。』
え‥‥無言?!
聖人。
怒っ‥‥た?!
『ご‥ごめ‥‥なんか、あたしムキになっちゃってっっ。』
『‥‥‥謝んなくてい―よ。』
『え?!』
『だから、謝んなくてい―から。』
そう言ったあと、
少し強引に聖人は、あたしの手を引いたんだ。
いつもと同じ、
暖かい手で――
『‥‥‥‥当たってっからサ。』
ボソッと、つぶやいた言葉の後は、
2人とも少し、
黙ったままだったよね。