『ねぇ聖人。緊張しないおまじない知ってる?!』
『“ヒト”って書いて飲み込むヤツだろ?!』
『あは。よく知ってるね。』
『るせ。俺は、そんなおまじないいらね―のッッ!!』
『ぷぷ。強がってる?!』
『は?!くだらね―。早く行くぞ!!』
少しずつ色づいてきた秋色の街の中を、
あたし達は歩いたね。
会場までの道のりが、
もう少し長く続いてくれたらいいのになって思った。