毎日何気なく過ぎていく。
朝は人にもまれ時間に追われ人並み揃えて会社に向かう。
終わればまた同じ帰路につく。明かりの灯っていない薄暗いドアを開け、静かな部屋で今夜も一人。
週末は寂しさ紛らわすためあの場所に行く。
楽しいかって言われればそうでもない。
ただの時間潰し…そういうけれど、たぶん頭ではわかってる。
浪費するだけ。ここでは金以外で見られてないこと。特別なんてありえない。話すことは相手からすればただの仕事。メールも気遣う言葉もすべてがそう。
寂しくなるのをわかっていて僕は何故いつもここにくるのか…他の客と一緒だ。ただ寂しいだけさ…
「いらっしゃいませ」
ドアを開ければいつものボーイ。
「ご指名は?」
『誰でも』
僕の口癖はいつもこう。
目的なんてないのだから当たり前か。
どうせまたすぐ消えて行くような新人の相手。この店には金づるでしかない。
「はじめまして」
隣に着飾った若い女性…というよりも女の子。
かわらず同じような会話。飽きて来る。
とりあえず適当に話しをあわせて酒を飲む。
それが僕だよ。