「2人には感謝しなきゃね。こんな中途半端な俺を、相手にしていたこと…。改めてありがとう」
「ううん。義さんが優しい人だってことは、わかるの。…それに、義さんみたいな価値観の人に、私も由美も出会ったことがないから」
「そっか…。」
「ねぇ、義さん。私たち、これから義さん達が、こっちに来るだけじゃなくて、私達からも、東京に行こうと思うんだ。
そしたら、会えることは可能かな?」
「そりゃもちろん! 哲も喜ぶと思う。
俺はね…恋愛に対して、度胸もないのに、広い意味で出会いを求めて、こうして君たちと出会うことが出来た。…だから、遠慮なく遊びに来てよ」
「うん。」
…こうして、3人は、新たな展開を見せて別れた。
その頃哲彦は、駅前のカフェで、暇つぶしをしていると、1人の女性に声をかけられた。
「もしかして、『哲彦さん』じゃないですか?」
「え!ああ、そうですけど」
唐突に声をかけられたので、哲彦は驚いた。
「良かった。あっ、何で名前知ってるの?って顔ですよね?私、かすみの友達の、
『じゅん』って言います。かすみから、義人さんって人と、あなたが写ってる写メを見せてもらって、あの子が嬉しそうに男性のこと話すなんて、なかなかなかったから…どんな人達なんだろうって思って。偶然、あなたを見かけて、話しかけちゃいました。迷惑でしたよね?」
「いや、そんなことないよ。でも、世の中せまいよね?こうやって、彼女の知り合いと偶然会うんだもん」
「そうですよね。でも、私は嬉しいんですよ。かすみは、明るい子だけど、恋愛には、覚めてた部分があるから、そんなあの子の心を広げてくれた人達が、どんな人達なんだろうって…」
「そんなたいした人達じゃないよ。彼女達と出会うまで、何人かと出会って仲良くなったけど、結局は、うやむやだし、何かね…」
「上手くいかななかったんですよね?」
「そんな感じだね。結局運がないってゆうか…」
「じゃあ…、私が新たな出会いの1人になってもいいですよね?」
「えっ?!ああ別にかまわないけど、強引な形の逆ナンみたいだね(笑)」
「ええ(笑)私、この積極的すぎる性格が災いして、男運がないんで!彼氏を募集中ですよ。哲彦さんも立候補してくださいね」
「考えとくよ」
哲彦は、今までとは違う出会いをした。
そして、2人は、思わぬ形で再会する。