「分かりました……確かにそれでは私が疑われるのも無理はない…」
雪野は、口では納得したように言ったが表情は全く納得していない顔だった。その表情には渡沼も気づいていたがあえて触れることはしなかった。
「では、次は僕らがこの二日間死に物狂いでかき集めた情報をもとにしたある仮説をお話ししましょう」
京都はライフルを肩に乗せながら話し始めた。
まず、今までの行動を包み隠さずに話した。ただし、優の事は上手に隠しながら話した。あくまで二人は誰も巻き込まない様にするみたいだ。二人の話を渡沼は黙ったままだった。
「まぁ僕らもただ逃げていたわけじゃないってことです」
京都と雪野が事件現場・遺体安置所の事を話したあと、京都がそう言って締めくくった。
「なるほど、確かに死に物狂いだな」
渡沼は笑うこともせずに冷淡といった。あまり動揺もしていないようだ。むしろ怒りを感じているみたいだった。なぜ渡沼が怒りを感じているのかと二人が思っていると
「その話が本当だとすると我々はかなり弱体化しているといっていいな。君らといえど高校生二人を事件現場で出くわせていながらその場で捕まえる事が出来ないとは……君らを捕まえた後に警察の強化を実施しよう」
どうやら、事件現場で警察と対峙していながら警察が京都と雪野を捕まえる事が出来ない今の警察に腹を立てているようだ。
「まぁ………僕らの運が良かったということですかね」
京都は皮肉をたっぷりと込めて言うと雪野は
「そんな皮肉を言わないの」
と、言って今度は雪野が話し始めた。
「私たちが死に物狂いで集めた資料は主に二つ。一つは事件の資料。これには使用された銃について書いてあります。そして、二つ目はその銃について書いてある資料です」
雪野は自分が持っていた資料を二つとも渡沼に見せた。
雪野はライフルを机の上に置いて資料を読み始めた。
まず、最初の事件の資料から読み始めようとしたときだった
「私たちが、注目したのは使用された凶器です。凶器には知っている通り拳銃です。しかし拳銃には……」
雪野が話し始めた瞬間いきなりショートした音がした!!
そしてスタジオ内のカメラを京都と雪野が見ると、なんと三台全てが壊れていたのだ!