エリカは仕事を終えると幸村さんと待ち合わせしていたレストランへと向かった。
「エリカ、こっち」
「幸村さん…」
久しぶりにあった彼の目をまともに見ることもできず、エリカはずっとうつむいていた。
「エリカ…元気だったか?心配…だったからさ…いきなりいなくなったりしたから…」
「元気でしたよ。」
「どうして突然いなくなったりなんかしたの?」「…わかりません。
なんとなく1人になりたかったから…」
「本当は…?俺のせい…じゃないか?」
違う…幸村さんのせいなんかじゃない。
ただエリカが弱かったから、全てのことから逃げだしたの…
「違います…
わたしが悪いんです。松山くんに合わせる顔がないから…だから…あの生活から逃げたくなっちゃって…」
「そうだったのか…」
エリカはますますうつむいた。
いったい、幸村さんの口から次はいったいどんな言葉がでてくるのかと考えると、手の震えがとまらなかった。
「あのときはすまなかったな…エリカのことを傷つけてしまって…」
「謝らないでください…わたし幸村さんにそんな顔させるためにお話にきたんじゃありません。」「いや、謝っても謝りきれないよ。反省しているんだ。エリカは俺のことを本当に好きでいてくれたんだよな…うれしかった。けど、俺はそんなエリカの気持ちを利用して…」
胸がしめつけられる。
利用したなんて言わないで…エリカは幸村さんを好きになって…