prologue:世界の在り方
『世界』というのは、一枚の織物のようなものである。其処に暮らす生き物、其処を吹く風、其処を流れる水――全ては『世界』という織物を構築するための糸なのだ。
織物というのは、色鮮やかな絵画を布に描いたようなものだ。繊細な細い糸が一本一本絡みあって、美しいモチーフを完成させる。従って、それを描き出す糸が無色透明ということはありえない。
ならば、『世界』を描く糸は一体何によって色づけされているのだろうか?
私は一つの問いを投げかけよう。……誰に、か?
さてさて、私はそろそろ失礼するとしようか。おや、なにやら不満そうな顔をしているね。こちらが問うておくのみで君の話を聞かないからかな? しかしそれをここで答えてしまってはゲームがつまらなくなってしまうので、ね。
さぁ、自分で考えて行動するのだ。何が正しいのか、何が間違っているのか。最終的に判断を下すのは――全て、自分。
他人の答えを待つな。自分で決めろ。
人とは唯一、思考をめぐらすことを楽しむのを許された生き物なのだろう?
見せておくれ、世界が織り上げられていく様を――