Xue−光の行方− act.12旋律

紅乃  2006-09-03投稿
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まず十夜が目の前の狼に切りかかる。大剣は紅く光り、狼は光となって消える。そのすきにシエンがまわりの狼に何十本もの短剣をなげる。
「fire-vice 炎の力よ
敵を貫く槍となれっ!
ファイアースピアーッ!」
十夜が魔法を繰り出す。
「ねー十夜ーがんばってるとこ悪いんだけど、向こうから狼の援軍が…」
「ちくしょー!」
十夜が鎖を取り出す。こちらの鎖にも蒼い宝石がついている。
「破壊の鎖…チェーン・ディストラクションッ!」
鎖をふるうことによる衝撃波が魔物の群れを襲う。それでもどこからともなくやってくる狼の援軍のせいで、数はいっこうに減らない。「これじゃあきりがない!」ブチッ。どこからか、なにかが切れる音がした。
「うぜーんだよどこからともなくやってきやがって…まとめて消してやる…!」
リオの声と誰かの声が重なった声。リオであって、リオでないもの。なんだかそんな気がした。
「ねぇっ!十夜!あそこに人がいない?」
シエンがすぐそこの岩の上を指す。
「あっ女性が…ってそんなわけ…」
その時、どこからともなく、美しいソプラノの歌声が聞こえた。それは旋律。旋律とともに、魔物達は、光となり、消えていく。
「すごい…」
歌声のでどころは、岩の上の女性。
「大丈夫でしたか…?」
気付いたら、女性はすぐそこにいた。
「あ、はい。」
薄紫の腿まで届く、うすくウェーブのかかった髪。紫紺の瞳。へそのあたりからわれて、その下にミニスカとブーツをはいている事が分かる、薄紫のローブ。手には宝石がいくつもとりちりばめられた杖。薄紫の髪…紫紺の瞳…?どっかで見た気が…。
「姉さんっ!」
「「姉さん!?」」
「弟がお世話になっています。ランの姉の、
リン・ウィア・ヴァイオレットです。」
「ラン、お姉さんいたの?」「はい。ところで姉さん、なぜここに?」
「ランを手伝ってこいって言われて…」
「じゃあ仲間!?やったこれで無敵!お姉さん、これからよろしくおねがいします!」
「ええ…?さあ、町に入りましょう?冷えるわよ?」
あたりは真っ暗。もうすでに夜。
「そうだね☆さ、いこ☆」
いつのまにかいつものリオに戻っていた。
「さっきからなにもいいませんね、十夜さん、まさか姉さんに惚れっ…」
「大丈夫?十夜君?」
「あ、はい。考え事してただけですから。」
「あら、そう。」
(それにしても…さっきのリオは…)



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